午前8時
――荒雄川。
ママ、3回目の渓流(荒雄は本流らしいけど)フライフィッシング。
今日は青森から
ひろのぶが来るって言うから正確には
二人っきり じゃなくて三人。
チビと
京太が遊んでいる隙に、いざ入渓!
だってパパがまた どうしてもってさー
ままと一緒に釣り行きたいってそう言うからさー
すみません、チビのこと よろしくお願いします。
見てー この景色。
毎回思うんだ。
脳が活性化される って。
けど全然、頭良くなんないや。
ママさー、今回で3回目じゃん。
けどどうせ今回も釣れないんだよきっと。
って思ってたけど一応フライとか選んじゃってさ。
わ 今回キャスティングうまくいったじゃんとか。
シュミレーション的には其処に 綺麗な虹鱒がいてね。
おっ おいかけてきてるな、とか。
遠くて川底見えないのにそんなん考えてたんだよ。
ガポッ!
渓流フライフィッシング
――3度目の正直は。
「小っこ!」
パパが言ったけど。
いいんだもん。
小さくたって綺麗な尾したレインボー、ママ釣ったんだもん。
夕方、ひろのぶが帰って。
パパと二人で日が暮れるまで。
ママの釣果は 結局あの
小っこい虹鱒、一匹だったけど。
やったじゃん って、パパが言ったから。
うれしかったんだよ。
――ただいま、チビ。